東方神起のライブ

雑報 星の航海術

フィッシュマンズや七尾旅人、平沢進などが好きという趣味から言えば、K-POP?なにそれ?って感じだったのだが、少女時代の「MR.TAXI」を聴いてビックリし、それ以来、2NE1東方神起なども聴いたが、エンターテイメントとしてのレベルの高さに驚いた。

そう、僕らの世代では韓国の歌謡といえば、趙容弼の「釜山港に帰れ」が関の山で、ソバンチャが日本の音楽番組に出たときなんか「もうやめてくれ」って感じだったもの。お話にならないわと。

その後、湯浅学や根本敬の幻の名盤解放同盟で申重鉉を知っても実際に聴く機会もなく、とにかく韓国の音楽とは縁がなかった。

自分が生きている間に韓流ブームのようなものが起きるとは思っておらず、したがってヨン様ブームに見られるような、韓国の男性にキャーキャー言う人の存在は信じられなかったのだが(個人的にキャーキャー言われたことがないということもあろうけれど)、とにかく周囲に東方神起を推す声が多かったので、それなら一度見てみようと、自分の誕生日にあたる東京ドーム公演の最終日に行ってきた。

いや、すごかった。
東京ドームが満杯でこんなに動員できるのは、あとは大作先生くらいのものぢゃないか。

とにかく4万に近い数の女子が雲霞の如く居るわけで、しかも矢沢永吉よろしく揃いのタオルを肩にかけ、スティックライトを振り振り、チャンミンがピースすればキャー、ユンホが踊ればキャーと、踊り念仏かはたまた一向宗かというくらいの熱狂と帰依ぶりに、なんだか観客を見るほうがおもしろくなってしまった。

ライブの始まる前の周りで話されていた内容から推察するに、若者の海外旅行離れなぞ本当かと言うくらい、ソウルあたりに繁く通っている。自分の興味関心に極めて忠実で、貪欲さを体現する握力の強さもあるようだ。

だがしかし、いったん幕が下り、アンコールの拍手とともに、チャンミンとユンホが再登場してのライブがそこから約1時間も続くと思っていなかったのか、さしものパワフルな彼女たちにしてすら、最終的には「そろそろ終わりでもいいんじゃないか」という表情を見せる子もおり、とにかくゴージャスてんこ盛りで胸焼けするくらいでちょうどいい、みたいなこの過剰さが韓国っぽいなぁと思ってしまった。

かくいう僕もクタクタになったけれど、また行ってみたいという気にさせられる。
ちょっと病みつきにさせられる魅力が確かに東方神起にはあるわねぇ。