登場する30代後半の女性たち4人は互いに親友だと思っていた。そのうちのひとりの離婚をきっかけに各々が隠していた不安や孤独、寂しさが明らかになると、それに伴いに各々の暮らしに軋みが生じ始める。自分は何者で、この人生をどのように生きたかったのか。彼女たちは自らに問い始める。
上映時間の5時間17分はあっという間に過ぎ去り、とてもおもしろいという感覚はあっても、それ以上のことについて言おうとすると、うまく言葉にならない。作品について端的に何か言うことができなかった。
ただ出演している人たちの「本当」の感じが濃く残った。「本当」というのは、その人がその人でありつつ役柄のその人でもあることに疑いようがないということだ。
俳優なら役になりきるのは当たり前だと思うかもしれないが、「ハッピーアワー」に登場していた役者は、キャラクターをうまく演じているのとはまた違う何かを表出していた。そう、表現というよりは表出してしまっている感じだ。
機会があれば一度、監督の濱口竜介さんにどのように映画を撮っているのか聞いてみたいと思っていたところ、願い叶い「プリセッション・ジャーナル」に登場いただくことになった。話はケアと演技、そして「からだ」との関わりから始まった。